知っているようで意外と知らない経済のあれこれ!第四回

皆さんこんにちは!クリアカの相楽です。

 

はやいもので今回の話題も第四回目となりました!

 

経済とはモノの見方であり、その見方のレンズ役としてお金があるとお考えいただければわかりやすいと思います。

 

生活を行う上で必ず必要なものであるこのお金を我々は果たしてどれほど理解しているのでしょうか?

 

不景気に直面した時、右往左往するだけでは中々難しいものがあります。

 

自らで考える機会になる。そのお手伝いになる記事であったのであれば幸いです!

 

参りましょう!

前回の復習


経済は良いときや悪いとき様々なパターンがありますが、前回は不況の波であるバブルが崩壊したときレバレッジの消滅に対してどのような行動が必要なのかということを4点から見てきました。

  • 人、ビジネス、政府全体で支出を縮小する。
  • 不履行となった債務を再編する。
  • 富裕層からの資産などをそれ以外に再分配する。
  • 中央銀行が新しい紙幣を印刷する。

この中央銀行も大切な要因の一つです困ったときはこの中央銀行の行動に注目してみるという認識でOK!

 

今回はその続きからです。どのような行動が行われていくのかまずは我々も働く会社から見てまいりましょう!

人々の恐怖心


大きな不況に陥るときまず支出が縮小されます。

 

人やビジネス、政府が財布のひもを締め、支出を縮小し債務を返済しようとします。

 

これは緊縮策と呼ばれ、借り手が借りることをやめ、古い債務の返済を始めると債務負担率が減ると思われるかもしれません

 

しかし実際はその逆が起こります。

 

なぜなら支出が減り、支出はほかの人には収入源という考え方からすると所得は縮小してしまうからです。

 

所得は債務返済より速いスピードで縮小します。すると債務負担率が悪化します。以前ご紹介した通り支出が減るとデフレを起こします。

 

ビジネスはコストを減らそうとする動きが予想できますので雇用が減り、失業がふえます。そうするとさらに債務を減らす必要が出てきます。

 

借り手の多くは借金を返済することができません。借り手の債務は貸し手の資産なのです!

 

借り手が銀行に返済できないと人々は銀行に預けたお金が心配になり、銀行に殺到して引き出そうとします、銀行の経営は難しくなり、人々やビジネスは債務の返済が不可能となり、このため経済恐慌となります。

 

恐慌は人々が資産と考えていたものが消滅したと気づいたときに起こるのです。

 

文房具屋さんで考えてみましょう。万年筆を買おうとしてツケにしました。文房具屋さんに後で返済すると約束したのです。これは文房具屋さんにとっての資産です。しかし約束が破棄され返済ができなくなるとツケは不履行となります。

 

すると文房具屋さんの資産の価値がなくなってしまいます。貸し手は資産の消滅を避けるため債務の再編に同意せざるを得ません。

 

しかしそうすると返済額を縮小したり、返済期間を延長したり、最初に決めた利子を引き下げたりと譲歩の必要が出てきます。

 

 

債務を縮小するために契約が破棄されますが、貸し手は全く返済されないよりは幾らかでも回収したいと考えるのは難しくありません。

 

すると債務が消滅しても債務が再編されると所得と資産価値は急速に減り、債務負担率がさらに悪化します。

 

支出を減らすのも苦しいですが債務を減らすのも大変な事態が発生してしまいます。

影響を受ける中央銀行


上記から中央政府も影響を受けます。

 

所得が減り雇用も減るという事は政府に払われる税金も減ることにつながります。

 

さらに失業がふえたため政府は支出を増加する必要があります。失業者の多くは預金もなく政府からの援助が頼りです。

 

また政府は経済活性化のため支出をふやし、経済の体力を回復させようとします。

 

レバレッジが消滅しているときには税収入が減っただけ、政府の予算負担は急激に増加します。

 

これが政府の債務負担増加の理由です。この債務を返済するためには税収をふやすか借金をふやすことになりますが、所得が減り失業者がふえているこの状況でどこからお金を集めたらよいのでしょうか。。。

 

そう富裕層です。

 

政府は富裕層からお金を集めようとします。資産は限られた少数の人たちが持っています。政府はこの富裕層からの税収入をふやすのです。

 

すると富の再分配が起こります。持っている人々から持っていない人々へ、貧しい人たちは富裕層を毛嫌いするようになります。

 

また富裕層は経済の弱体化、資産価値の暴落、税金の増大などから貧困層を嫌うようになります。

 

つまり恐慌が続くと社会不安が発生しやすいのです。

 

国内の葛藤がふえるだけでなく国と国の間にも、特に債権国と債務国の間にもいら立ちが見られることになります。この状態が続くと政変が起こり大変な事態となりかねません。

 

 

このため1930年代にはヒトラーが力を増し、ヨーロッパでは戦争が起こり、アメリカでは恐慌が起こりました。

 

そのため強い対策が必要となりました。普通の人がお金だと思っていたのは実際にはクレジットであったためです。

 

そしてクレジットが消滅するとお金が不足することになり、人々にはお金が必要になりました。

リスクを伴う債務減額


お金を印刷できるのは一体だれか。。。

 

そう中央銀行です!

 

利子がゼロまで下落してしまえばお金を印刷するより方法はありません。

 

支出の縮小、富の再分配に比べるとお金を印刷することはインフレを招き経済を刺激してしまいます。

 

中央銀行は何もないところから新しい紙幣を印刷し、資産を買い、政府債権を買うのです。

 

これがアメリカの大恐慌で起こり、2008年にも同様に起こりました。

 

アメリカの中央銀行、連邦準備銀行が2兆ドルを超える新しいお金を印刷したのです。

 

世界のほかの中央銀行もできる限りお金を大量に印刷しました。これで金融資産を買えば資産の価格を引き上げ、借り入れが楽になるからです。

 

しかしこれは金融資産を所有している人だけを助けることになります。

 

中央銀行はお金を印刷できますが金融資産だけ購入することが可能です。

 

一方、中央政府は物品やサービスを買い、そのお金を人々の懐に入れることができます。しかしお金を印刷することはできません。

 

したがって経済の活性化のためには両者の協力が必要となります。

 

中央銀行が政府の債券を購入することは実際政府にお金を貸すことになり、赤字予算で物品やサービスへの支出をふやし、経済の活性化を図り、失業保険を支払うのです。

 

すると国民の所得がふえ、国の赤字もふえます。しかしこれは経済の債務負担総額を減らします。

 

 

これにはリスクを伴います。政府は4つの方法のバランスを保ち債務を減少させることが必要なのです。

 

デフレ要素とインフレ要素のバランスを保つことが経済の安定につながり、このバランスが達成できればレバレッジの減少はよい結果をもたらします。

 

レバレッジの減少は悪い結果、またはよい結果をもたらすことができます。

レバレッジ減少への対応が経済活動のカギ

レバレッジの減少がよいとはどういう場合でしょう。

 

これは債務が引き起こすアンバランスなレバレッジより良好で、その場合所得と比べて債務が減少し、実質経済が向上し、インフレ問題が解消されるという場合になります。

 

これを可能にするには上手に支出を抑え、債務を縮小し、富を再分配し、お金を印刷することで経済と社会安定が維持されます。

 

お金を印刷すればインフレが起きるのではないかと予想できますが、それでクレジットの暴落を相殺できるのならインフレにはなりません。

 

お金で支払われようがクレジットで支払われようが支出が増加することに違いはないのです。

 

中央銀行はお金を印刷し、ふえたお金を使って減少しているクレジットを補うのです。

 

景気を回復させるために中央銀行は所得を増加させると同時に、所得の成長率が蓄積した債務の利子額よりも早く増加する事が必要にあります。

 

これはどんな意味を持つのでしょうか。基本的には所得が債務より速いスピードでふえることが不可欠です。

 

レバレッジが減少している国があると仮定しましょう。この債務対所得の比率が100%とします。するとその国の1年の総所得は既存の債務と同額であることになります。

 

この債務に利子がつくとします。利子が2%と仮定すると、利子率のため債務が2%の率で増え、その一方で所得が1%の率で成長しているなら債務の返済は不可能となります。

 

所得成長率を利子率よりも高くするためにはより十分なお金を印刷する必要が出てくるのです。

 

しかしお金を大量に十分に印刷するという事は同時に悪用されやすく、国民もより印刷を希望することが多いです。大切なことは1920年代にドイツで起こったように、お金を大量に印刷してハイパーインフレを引き起こさないことです。

 

政府がバランスを維持できれば問題は悪化しません。成長率は低くても債務は減少するのです。

 

レバレッジが減少していても問題はありません。所得がふえれば借り手の信用が向上します、貸し手はお金を貸すようになり債務負担は減少しだします。

 

お金を借りることが可能になれば支出もふえ、経済は成長へと向かいます。

 

 

これは長期債務周期で言うとデフレーションの段階なのです。

 

レバレッジの減少は対応を間違えれば大問題となりかねませんが、正しく対応すると問題解決を引き起こすことが可能なのです。

 

債務負担が減少し経済活動が正常に戻るまでには約10年以上かかります。

 

こんな言葉を聞いたことはありませんか?「失われた10年」と・・・。

 

結論


もちろん経済の仕組みはこの通りに進んでいくとは限りません。

 

しかし短期の債務周期を長期の債務周期に重ね、それを生産性成長カーブに重ねてみると、前回や前々回の内容と合わせた文章の意味が確認できると思われます。

 

現状が理解できると将来も見通すことが可能となるのです。

 

まとめると重要な要素は3点

 

  1. 債務負担が耐えきれなくなるのを防ぐため所得より早く債務を増加させない。
  2. 競争力が弱くなる所得を生産性より早く増加させない。
  3. 生産性を向上させる努力を惜しまない。

 

上記が長期的に一番大切な要素なのです。

 

最後に


お疲れさまでした!

 

今回で経済の話は終了です!新しい元号となり気持ちも心機一転、様々なことに挑戦していきたいと考えている方も多い事でしょう。

 

そんな中突然訪れた不況!どう対応するのがベストなのでしょうか?

 

本来ならば不況が起きず滞りなく進めるのが一番良いでしょう、好景気と不景気は表裏一体、コインの裏と表、タイミングは正に神のみぞ知るところなのです。

 

しかしそのタイミングはそこに至るまでに微妙にある振れ幅のようなもので目星をつけることが可能です。

 

もちろん全容は何十年たたなければわかりませんので予想の域は出ないでしょう、しかし先見性は知識がなくては始まらないのもまた事実ではあるのです。

 

今回の長きにわたる記事によって少しでもやってみようかな?というお気持ちにスイッチオン!できれば幸いです。

 

またお会いしましょう~!

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